○長井市ダイオキシン類から市民の健康と環境を守る条例
平成12年3月24日
長井市条例第4号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 関係者の責務(第5条―第7条)
第3章 焼却施設の設置及び適正管理
第1節 特定施設の設置届出等(第8条―第12条)
第2節 適正な管理(第13条―第15条)
第3節 屋外焼却行為の制限及び家庭用焼却施設等への指導等(第16条・第17条)
第4章 雑則(第18条―第22条)
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、長井市環境保全基本条例(平成6年条例第9号。以下「環境条例」という。)第3条第1項並びにダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号。以下「特別措置法」という。)第3条第2項及び第43条の規定に基づき、ダイオキシン類の発生を少なくし、市民の健康と環境を守ることを目的とする。
(1) ダイオキシン類 ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン及びコプラナ―ポリ塩化ビフェニルをいう。
(2) ダイオキシン類発生原因物 焼却行為によって、ダイオキシン類を発生させうる物であって、規則で定めるものをいう。
(3) 環境目標値 特別措置法第7条の規定により定められる基準に基づく市の目標値をいう。
(4) 廃棄物 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃掃法」という。)第2条第1項に規定するものをいい、さらに次のように区分する。
イ 生活系廃棄物 市民生活によって排出される廃棄物
ロ 事業系廃棄物 事業活動によって排出される一般廃棄物及び産業廃棄物
(5) 事業所等 事務所、店舗、工場、作業所、資材置場、廃棄物の仮置場及び農地等事業者の活動に係るすべての施設並びに場所をいう。
(6) 事業者 事業所等を保有し、事業活動を行う者をいう。
(7) 営業用焼却施設 事業者が、廃掃法第7条第4項及び同条第14条第4項に規定する処分業の用に供するために設置する焼却施設をいう。
(8) 自家焼却施設 事業者が、自家の事業系廃棄物を処理するために設置する焼却施設(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号。以下「廃掃法規則」という。)第1条の7に規定する構造を有するものに限る。)をいう。
(9) 家庭用焼却施設 市民が、生活系廃棄物を焼却処理するための施設(廃掃法規則第1条の7に規定する構造を有するものに限る。)をいう。
(10) 排出ガス 焼却施設から大気中に排出される排出物をいう。
(耐容一日摂取量)
第3条 ダイオキシン類から市民の健康を守るための施策の指標とすべき耐容一日摂取量(ダイオキシン類を人が生涯にわたって継続的に摂取したとしても健康に影響を及ぼすおそれがない一日当たりの摂取量で、2・3・7・8―四塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシンの量として表したもの。)は、人の体重1キログラム当たり4ピコグラム以下とする。
(環境目標値)
第4条 ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染等の環境目標値は、次のとおりとする。
大気の環境目標値 1立方メートル当たり0.6ピコグラム以下
土壌の環境目標値 1グラム当たり250ピコグラム以下
水質の環境目標値 1リットル当たり1ピコグラム以下
第2章 関係者の責務
ダイオキシン類の環境及び健康への影響について、広報及び学習活動を通して、市民及び事業者の意識の啓発と知識の普及に努めること。
市が設置し、管理する施設においては、自家焼却施設によるダイオキシン類発生原因物の焼却はしないこと。
市民及び事業者と連携して、廃棄物の減量及びリサイクルを推進し、廃棄物の焼却処理量を削減すること。
事業系廃棄物の減量に努め、廃棄物の焼却処理量を削減すること。
自家焼却施設の使用については、規則で定める基準に従い適正な焼却管理を行い、ダイオキシン類発生原因物の焼却をしないよう努めること。
農業者は、関係団体との連携、協力のもとに農業用廃ビニール等の廃棄物を適正に処理すること。
廃棄物の収集、運搬、処理を業とする事業者は、ダイオキシン類が人の生命、健康及び生態系に重大な影響を与えるおそれのある物質であることを常に意識し、施設の安全管理及び環境整備について市民及び他の事業者の理解を得るように努めること。
レインボープラン実施のまちの市民として、ダイオキシン類の環境に与える影響について学習し、廃棄物の処理施設の必要性を含めて正しい知識を持つように努めること。
家庭においてごみの減量及びリサイクルの促進に努めること。
家庭用焼却施設の使用については、規則で定める基準に従い適正な焼却管理を行い、ダイオキシン類発生原因物の焼却をしないこと。
第3章 焼却施設の設置及び適正管理
第1節 特定施設の設置届出等
(特定施設の設置等)
第8条 営業用焼却施設及び自家焼却施設(火床面積が0.5平方メートル以上又は焼却能力が一時間当たり50キログラム以上のものに限る。)(以下「特定施設」という。)を設置しようとする者は、工事に着手しようとする日の60日以前に、事業計画及び規則に定める書類を添えて市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の届出のうち、火格子面積が2平方メートル以上又は焼却能力が1時間当たり200キログラム以上のものについて、これを公表するものとする。
3 当該届出施設の設置に関して市民から説明を求められた場合は、市長及び当該事業者は、これに応じなければならない。
(勧告等)
第9条 市長は、前条第1項の届出を受理した日から起算して60日以内に、事業者に審査結果を通知しなければならない。
2 市長は、当該届出施設が規則で定める基準のいずれかに該当すると認めたときは、当該事業者に対して計画の変更又は中止を勧告するものとする。
(環境影響調査)
第10条 市長は、前条の審査において規則で定めるところにより、当該事業者に周辺環境への影響調査の実施及びその結果の報告を求めることができる。
(特定施設の変更等)
第11条 特定施設の規模、構造又は事業計画等を変更しようとする者は、事業変更計画及び規則で定める書類を添えて市長に届け出なければならない。
(特定施設の廃止)
第12条 特定施設を廃止した者は、規則で定める書類を添えて速やかに市長に届け出なければならない。
第2節 適正な管理
(特定施設の維持管理)
第13条 特定施設の設置者は、第8条第1項の事業計画に基づき適正に事業を行い、規則で定めるダイオキシン類の排出基準を遵守するとともに排出目標値を達成するよう努めなければならない。
2 特定施設の設置者は、特別措置法、廃掃法その他関係法令の規定に基づき適正な焼却管理を行うとともに、特定施設内又は保管施設若しくは保管場所で生じる排煙(特定施設を冷却するための冷却水による水蒸気等の白煙を含む。)、排水、粉塵及び塵芥についても適正な管理又は処理をしなければならない。
(市による指導等)
第14条 市長は、特定施設の設置者に対し、前条に違反するような場合には施設の運転管理について指導し、又は改善を勧告するものとする。
(測定の実施等)
第15条 特定施設の設置者は、規則で定めるところにより、当該施設から排出される排出ガスに含まれるダイオキシン類の排出濃度の測定を行い、その結果を市長に速やかに報告しなければならない。
2 前項に規定するダイオキシン類の排出濃度の測定を行うときは、測定日時等を市長にあらかじめ通知しなければならない。
3 市長は、前項の通知を受けたときは、市長が指名する職員又は市民に立ち合わせることができるものとし、特定施設の設置者は、これに協力しなければならない。
4 市長は、第1項の報告を受けたときは、その測定結果を公表するものとする。
第3節 屋外焼却行為の制限及び家庭用焼却施設等への指導等
(家庭用焼却施設等への指導等)
第17条 市長は、家庭用焼却施設及び自家焼却施設(火床面積が0.5平方メートル未満又は焼却能力が1時間当たり50キログラム未満のものに限る。)における焼却行為を行う者に対して、生活環境の保全上必要と認める場合は、その焼却の方法について指導するものとする。
第4章 雑則
(必要な措置)
第19条 市長は、次に掲げる事業者の氏名を公表するものとする。
第9条第2項に規定する計画の変更又は中止の勧告に従わなかった者
第13条第1項に規定する排出基準を遵守しない者
第14条に規定する指導又は勧告に従わない者
第15条第1項に規定するダイオキシン類の排出濃度の測定を実施しない者又はその結果を報告しない者若しくは虚偽の報告をした者
(ダイオキシン類の測定調査の実施)
第20条 市長は、ダイオキシン類の測定調査を定期的に実施するものとする。
2 前項に規定する測定調査の結果は、当該年度に実施した測定調査の数値の平均値等とし、当該年度の末日までに公表するものとする。
(立入調査等)
第21条 市長は、本条例の施行に必要な範囲において、特定施設の設置者に対し、特定施設の運転管理について報告を求め、又は市長の指名する職員を事業所等に立ち入らせ、その施設の状況等を調査することができる。
2 前項の規定により事業所等に立入調査を行う職員は、市長の発行する身分証明書を携帯し、事業者の求めに応じこれを提示しなければならない。
(委任)
第22条 この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成12年7月1日から施行する。