○長井市男女共同参画推進条例

平成14年12月18日

長井市条例第31号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 男女共同参画推進に関する基本施策(第9条―第15条)

第3章 長井市男女共同参画推進審議会(第16条―第18条)

第4章 雑則(第19条)

附則

日本国憲法においては、個人の尊重と法の下の平等が謳われ、男女平等の実現に向けた個別法の整備が行われてきている。しかしながら、少子高齢化社会や急速な経済情勢の変化が生じ、これに対応していく上で、男女がお互いの人権を尊重し、あらゆる分野において対等に協力し責任と喜びを分かち合う男女共同参画社会の形成が緊急の課題となっている。

私たちのまち長井市においても、昔ながらの社会慣行で男女の役割を決めつけてしまう考え方がいまだに残っており、地域活動における男女の参画が対等でなかったり、夫婦共働き世帯が多い状況にありながらも、女性の家事、育児及び介護等の負担が大きく、家庭生活において男女が対等とは言えない状況にある。

このような状況を踏まえ、市民一人ひとりが男女の生まれながら持つ性差を互いに尊重し、固定的な役割分担の概念にとらわれることなく、自らの意思で生き方を選択し、個性と能力が発揮できるまちの実現にむけて、市民、事業者及び行政が連携協力しながら男女共同参画推進に取り組んでいくことを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画推進に関し、基本理念を定め、実現すべき姿の達成にむけて、市、市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画推進 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ共に責任を担うべき社会形成に向けて取り組むことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住する者、勤務する者及び在学する者をいう。

(4) 事業者等 市内において公的機関、民間を問わず、あらゆる分野において経済活動及び社会活動を行う者をいう。

(5) ジェンダー・フリー 男女別に期待される役割やイメージなどの歴史的、社会的及び文化的に作られた性差により差別されないことをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画推進に関する基本理念(以下「基本理念」という。)は、次の各号に掲げる事項とする。

(1) 男女共同参画推進にあたり、男女が、ジェンダー・フリーを理解することで、個性と能力を発揮する機会が確保され、人権が尊重されること。

(2) 男女共同参画推進にあたり、男女が、社会慣行にとらわれずに、自分の自由な意思と選択による活動ができるように配慮されること。

(3) 男女共同参画推進にあたり、男女が、家庭、職場、地域、学校、行政その他の社会生活における活動の立案、方針の決定及び推進において対等な立場で参画し責任を分かち合えること。

(4) 男女共同参画推進にあたり、男女が、妊娠、出産、母性保護その他性に関することについて互いに理解を深めることにより、男女の生涯にわたる健康が確保されること。

(実現すべき姿)

第4条 市、市民及び事業者等は、次の各号に掲げる事項を男女共同参画推進による実現すべき姿(以下「実現すべき姿」という。)とし、その達成に努めるものとする。

(1) 家庭において実現すべき姿

 「男は仕事」・「女は家庭」等の男女平等を阻害する慣習及びしきたりを超えて、女性が担ってきた家事、育児及び介護等の無償労働を理解し評価できる家庭

 男女が、家事、育児及び介護等を分担することで、地域活動及び社会活動に平等に参画できる家庭

(2) 職場において実現すべき姿

 個人の能力、適性及び意欲等が適正に評価され、採用、配置、賃金及び昇進等の男女格差が解消し、やりがいを感じる職場

 就学前の子の育児及び養育のため又は介護のための休暇及び休業を男女共に取得できる環境が整い、ゆとりをもって家庭生活と両立できる職場

(3) 地域において実現すべき姿

 男女共に対等な立場で自らの意思により活動に参画できる地域

 今までの慣習及びしきたりにとらわれずに、男女の役割分担が対等になされ、リーダーシップを積極的に発揮できる地域

(4) 教育において実現すべき姿

 男女の身体的な特徴の違いを理解し、生涯において互いの健康が維持できる教育が推進されること。

 人を思いやる心を育み、男女が対等に個性と能力を発揮できる教育が推進されること。

(市の責務)

第5条 市は、基本理念にのっとり、男女共同参画推進のため、第2章に掲げる施策を実施する。

2 市は、前項の施策の実施にあたり、市民、事業者等、県及び国と連携して取り組むものとする。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念にのっとり、実現すべき姿を目指し、家庭、職場、地域及び教育の場において、男女共同参画推進に協力するよう自ら努めるものとする。

2 市民は、市が実施する男女共同参画推進のための施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者等の責務)

第7条 事業者等は、事業を行うにあたり、基本理念にのっとり、実現すべき姿を目指し、男女共同参画推進に努めるものとする。

2 事業者等は、市が実施する男女共同参画推進のための施策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(性別による権利侵害に関する配慮)

第8条 市、市民及び事業者等は、次に掲げる行為により男女の人権を損なわないようにしなければならない。

(1) 性別を理由とする権利侵害及び差別的取り扱い

(2) セクシュアル・ハラスメント(性的な言動により相手方を不快にさせ、若しくはその者の生活環境を害し、又は性的な言動に対する相手方の対応によりその者に不利益を与えることをいう。)

(3) ドメスティック・バイオレンス(配偶者等から受ける身体的、精神的、経済的又は言語的な暴力及び虐待をいう。)

第2章 男女共同参画推進に関する基本施策

(男女共同参画推進計画)

第9条 市長は、男女共同参画推進を着実に遂行するため、男女共同参画推進に関する基本的な計画(以下「推進計画」という。)を策定し、これを実施するものとする。

2 市長は、推進計画の策定にあたっては、市民及び事業者等の意見を反映させるものとする。

3 市長は、推進計画の実施にあたっては、市民及び事業者等と協力して進めるものとする。

(積極的改善措置)

第10条 市、市民及び事業者等は、男女共同参画の機会の格差の改善が図られるよう関係機関と協力して積極的改善措置を講ずるものとする。

2 市は、各審議会等における委員を委嘱し、又は任命する場合は、男女の定数について均衡を図るための積極的改善措置を講ずるものとする。

(理解を深めるための措置)

第11条 市は、市民及び事業者等の男女共同参画推進に関する理解を深めるため、広報及び広聴活動等の必要な措置を講ずるものとする。

(教育及び生涯学習の推進)

第12条 市は、学校教育、その他の教育及び生涯学習の場において、基本理念に配慮し、男女共同参画推進に関する教育の推進、学習の機会の提供、その他の必要な措置を講ずるものとする。

(苦情及び相談への対応)

第13条 市は、男女共同参画推進を阻害する問題に関する苦情及び相談を受けた場合は、関係機関と連携して適切に対応するものとする。

(情報の共有等)

第14条 市、市民及び事業者等は、男女共同参画推進に関する情報を互いに提供し共有化を図り、男女共同参画推進のために効果的に活用しなければならない。

(施策の実施状況の公表と評価改善)

第15条 市長は、施策の総合的な推進を行うため、主要な施策の実施状況等について公表し、施策の評価と改善を行うものとする。

第3章 長井市男女共同参画推進審議会

(設置)

第16条 市長の諮問に応じ、男女共同参画推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要事項を調査審議するため、長井市男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(構成等)

第17条 審議会は、委員20人以内で組織する。

2 委員の数は、男女同数となるよう努めなければならない。

3 審議会の委員の選任にあたっては、市民を代表する者、知識経験を有する者及び公募に応じた者のうちから、市長が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。

(庶務)

第18条 審議会の事務局は、地域づくり推進課に置く。

(平27条例6・一部改正)

第4章 雑則

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

(平成27年3月26日条例第6号)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

長井市男女共同参画推進条例

平成14年12月18日 条例第31号

(平成27年4月1日施行)