○長井市まちづくり基本条例

平成18年3月24日

長井市条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 まちづくりに関する基本的施策等

第1節 市民参加の促進(第10条―第12条)

第2節 総合的、効果的かつ効率的なまちづくりの推進(第13条―第17条)

第3節 市民の権利利益の保護(第18条―第20条)

第4節 市民との協働の推進(第21条・第22条)

第3章 関係団体との連携(第23条・第24条)

附則

長井市は、朝日山系と出羽丘陵に囲まれた沃野を最上川、白川、野川が貫流し、あやめや白つつじが四季を彩る恵まれた自然環境のもと、農工商一体となった先人たちの努力で、活力ある「水と緑と花のまち 長井」として発展してきました。

今日、人口減少や少子高齢化、高度情報化など、地域社会を取り巻く環境は、大きく変化しつつあります。

私たちは、これらの変化と課題に的確に対応し、長井市を住みよい暮らしやすいまちとして次世代につなげていかなければなりません。

そのためには、市民それぞれが持てる力を発揮し、市民と市とが一体となった協働のまちづくりを進めていく必要があります。

ここに、長井市のまちづくりの基本理念である協働のまちづくりを推進するため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、長井市のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、市民と市との協働によるまちづくりを推進するための基本的な原則を定め、もって自立した活力のある地域社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 次に掲げるものをいう。

 市内に住所を有する者

 市内に事務所又は事業所を有するもの

 市内に存する事務所又は事業所に勤務する者

 市内に存する学校等に在籍する者

 市に対する権利又は義務を有するもの

(2) 市 市長、議会、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。

(3) 協働 まちづくりに関して、市民と市とが自己の果たすべき役割と責任を自覚し、それぞれの立場及び特性を尊重しながら、対等の立場で相互に補完し、協力することをいう。

(基本理念)

第3条 次に掲げる事項を基本として、まちづくりを推進するものとする。

(1) 市民と市とが情報を共有するとともに、市民及び市がそれぞれ適切に役割を分担しつつ協働により政策を実施すること。

(2) 地域の実情に即した政策を総合的、効果的かつ効率的に推進すること。

(3) 公正の確保と透明性の向上を図ることにより、市民の権利及び利益を保護すること。

(市民の役割)

第4条 市民は、まちづくりの主体であり、まちづくりに参加する権利を有する。

2 市民は、相互に多様な価値観を認め、自らの発言と行動に責任を持ち、まちづくりに取り組むよう努めるものとする。

(市の責務)

第5条 市は、常にまちづくりの主体は市民であることを認識し、市民との情報の共有及び協働を図りながら、適切かつ公正にまちづくりを行わなければならない。

2 市は、政策の形成過程において、市民の意向を的確に把握し、これを政策に反映するため、市民が参加する機会の拡大に努めなければならない。

3 市は、より効果的かつ効率的なまちづくりを行うため、不断にその内容、手続等を見直していかなければならない。

(市長の責務)

第6条 市長は、第3条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)に則り、市民との協働に努め、市民の意向及び地域の課題に適切に対応したまちづくりを、公正かつ誠実に推進しなければならない。

(議員の責務)

第7条 議会の議員は、市民の信託に応え、基本理念を実現するために、公正かつ誠実に職務を遂行しなければならない。

(職員の責務)

第8条 市の職員は、まちづくりは市民が主体であることを認識し、基本理念に則り、市民全体のために働く者として、その職務を遂行しなければならない。

(この条例の位置付け)

第9条 この条例は、市が定める最高規範であり、市は、他の条例、規則等の制定及び改廃に当たっては、この条例の内容を尊重し、この条例に適合させなければならない。

第2章 まちづくりに関する基本的施策等

第1節 市民参加の促進

(情報の公開の推進)

第10条 市は、市民とまちづくりに関する情報の共有を図るため、公文書の開示を適正に行うとともに、政策の形成過程にあるものを含めたまちづくりに関する情報の積極的な提供に努めなければならない。

(意見公募)

第11条 市は、まちづくりの基本的な方針その他の重要な事項を定める計画及び条例の立案に当たっては、その案の内容その他必要な情報を公表し、市民の意見を求めるとともに、その意見に対する市の考え方を公表しなければならない。

(開かれた附属機関等)

第12条 市は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に基づく附属機関その他のまちづくりに関する合議制の諮問機関(以下「附属機関等」という。)の委員を任命する場合には、附属機関等の設置の目的等に応じ当該委員を公募し、これに応じた者からも任命するよう努めなければならない。

2 市は、附属機関等の会議を原則として公開しなければならない。

第2節 総合的、効果的かつ効率的なまちづくりの推進

(総合計画)

第13条 市は、総合的かつ計画的な行政運営を図るための基本構想及びこれに基づき政策の方向性を示す基本計画(以下「総合計画」という。)の策定に当たっては、市民の意向を反映するため、市民の参加機会を確保しなければならない。

2 市は、総合計画の策定及び変更に当たっては、議会の議決を経なければならない。

3 市は、総合計画に則して、効果的かつ効率的に政策を推進するとともに、その進捗状況を定期的に公表しなければならない。

4 市は、特定の分野における政策の基本的な方向等を明らかにする計画については、総合計画との整合性に留意して、これを策定し、及び推進しなければならない。

(平24条例5・平25条例33・一部改正)

(財政運営)

第14条 市は、中期的な展望に立った自主的かつ健全な財政運営を行わなければならない。

2 市は、毎年度の予算及び決算その他財政に関する事項を市民に公表しなければならない。

(効率的な組織体制)

第15条 市は、社会経済情勢の変化及び多様化する課題に柔軟に対応するため、市民との協働により効果的で効率的な執行体制を整備しなければならない。

(政策評価)

第16条 市は、効果的かつ効率的にまちづくりを推進するため、政策評価を実施し、これに関する情報を市民に公表しなければならない。

2 市は、政策に関する市民の意見等に基づき、適切に政策評価を行うよう努めなければならない。

3 市は、政策評価の結果を予算編成、組織の整備、総合計画の推進管理等に反映させるものとする。

(政策法務)

第17条 市は、特色ある自立したまちづくりの実現のため、法令の調査及び研究並びに条例、規則等の整備を積極的に行うものとする。

第3節 市民の権利利益の保護

(公正な行政手続の確保)

第18条 市は、条例等に基づく許認可及び届出並びに行政指導に関する手続に関し、許可等の審査に関する基準、申請から決定までに要すべき標準的な期間等の共通する事項を定めることにより、行政手続における公正の確保と透明性の向上を図らなければならない。

(個人情報保護)

第19条 市は、個人に関する情報の保護を図るため、個人に関する情報の収集、利用、提供、管理その他の取扱いを適正に行わなければならない。

(意見、要望等への対応)

第20条 市は、市民からの意見、要望等があったときは、速やかに事実関係の調査をし、誠実に応答しなければならない。

第4節 市民との協働の推進

(協働の推進)

第21条 市は、市民の自主的な活動を尊重し、市民との協働を積極的に推進しなければならない。

2 市は、市民との協働を推進するための環境の整備に努めなければならない。

(まちづくり協定)

第22条 市は、積極的に一体的なまちづくりを進める必要があると認められる相当規模の地区内における建築物その他の工作物の新築その他まちづくりに関する行為について、市民による協定が締結されたときは、これを尊重するものとする。

第3章 関係団体との連携

(国、県等との連携)

第23条 市は、基礎的な地方公共団体である市町村優先の原則に基づき、国、山形県等(以下「国等」という。)との適切な関係の確立が図られるよう、国等に対して、制度、政策等の改善に向けた取組を積極的に行うものとする。

(出資法人)

第24条 市が出資している法人のうち市長が定めるもの(以下「出資法人」という。)は、基本理念に則り、市民との協働によるまちづくりに努めるものとする。

2 市長は、出資法人に対し、まちづくりに関して市と同等の措置を講ずるよう指導を行うものとする。

この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(平成24年3月29日条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成25年12月19日条例第33号)

この条例は、公布の日から施行する。

長井市まちづくり基本条例

平成18年3月24日 条例第1号

(平成25年12月19日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 市制施行
沿革情報
平成18年3月24日 条例第1号
平成24年3月29日 条例第5号
平成25年12月19日 条例第33号