平成19年12月市議会定例会 意見書

平成19年12月市議会定例会で議決された意見書は下記の7件です。

地方交付税の確保・充実を求める意見書

現下の地方財政は、過去の景気対策等により発行した地方債の元利償還金が増崇するとともに、少子高齢化を反映して社会保障費等が増大していることから、極めて厳しい状況に置かれ、地域間格差が拡大しつつあります。
この一番大きな要因は、地方交付税の大幅な削減にあり、「三位一体の改革」により平成16年度から平成18年度までの間に5.1兆円の大幅な抑制が行われました。加えて、平成18年度から交付税特別会計借入金の計画的償還が開始されたことなどにより、平成19年度の地方交付税額は約15.2兆円と対前年度比0.7兆円の減となっています。また、地方交付税の代替措置である臨時財政対策債についても2.6兆円と対前年度比0.3兆円の減と、交付税が本来持つ財源調整・財源保障の両機能が果たされなくなっています。
こうした状況の中、「基本方針2006」において示された不交付団体の増加を目指すという政策誘導により、不交付となった団体においては、制度上、後年度に税源措置を約束されていた地方債の元利償還について、結果的に地方交付税が措置されない形となっています。
今後の第二期地方分権改革の進展に伴い、地方財政の自立がさらに強く求められる中、地方交付税制度の役割はますます重要となります。
よって、地方交付税の確保・充実について下記のとおり強く要望いたします。


  1. 地方交付税は、本来、財源調整・財源保障の両機能を有するものであり、これを堅持することは国の責務にほかならず、地方公共団体の安定的財政運営に必要な地方交付税の総額を確保すること。
  2.  
  3. 交付税特別会計借入金の計画的償還については、地方の財政状況をしっかりと見極め、地方公共団体が基礎的自治体として、真に必要な行政サービスを提供するための所要額を確保したうえで、実施時期の適正な見直しを行うこと。
  4.  
  5. 後年度に財政措置するとした地方債の元利償還金に係る約束分については、確実に措置すべきである。また、各地方公共団体への交付税配分については、地方の財政需要を的確に把握したうえで、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう措置すること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。




平成19年12月21日

山形県長井市議会

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
総務大臣       増田 寛也 様
財務大臣       額賀 福志郎 様

 

法人税・所得税及び証券税制の見直しを求める意見書

多くの市民にとって景気回復の実感がない中で、恒久的減税とされた定率減税が廃止され、その上さらに消費税増税の議論が進められています。しかし、消費税は、逆進性の強い税であり、生活費非課税の原則を侵すものであります。
他方、定率減税と同時に減税された法人税(34.5%から30%へ)や所得税の最高税率引き下げ(50%から37%へ)はそのままであり、景気回復を理由とするならば法人税や所得税の最高税率こそ元に戻すべきであります。
また、政府は、IT投資減税や研究開発減税などの政策減税、連結納税制度導入等、また、証券税制の軽減を行い、大企業や高額所得者に有利な税体系を展開しています。このことによって、政府自らが本来の財源を手放しているとも言えます。
これからの政策展開は、庶民への負担増、社会保障などのサービス削減や公的責任の後退、地方間格差をもたらし、現在と将来への不安を招く結果となっています。
よって、政府においては、早急に行き過ぎた大企業や高額所得者への軽減を中止し、負担能力に見合った応分の負担という税負担の原則に立ち戻り、法人税・所得税及び証券税制の見直しを行うよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成19年12月21日

山形県長井市議会

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
財務大臣       額賀 福志郎 様

 

後期高齢者医療制度の抜本的見直しを求める意見書

75歳以上の高齢者を対象とした「後期高齢者医療制度」が、平成20年4月からの導入に向け準備が進められています。
制度が始まれば、75歳以上の高齢者は現在加入している国保や健保ではなく、高齢者だけの独立した保険に組み入れられることとなり、家族に扶養されている方々を含め、すべての後期高齢者が保険料の負担を求められ、その大多数が年金から天引きされることとなっています。
現在、サラリーマンの子どもらの扶養家族で、保険料負担がゼロの75歳以上の高齢者は、来年4月から新たな保険料が必要となると考えられており、しかも、保険料は2年ごとに改定され、後期高齢者が増えるのに応じて、自動的に保険料が上がる仕組みとなっています。
本来、保険制度は、誰もが、どこでも、どんな病気でも安心して医療が受けられるために設けられていますが、後期高齢者保険制度が導入されることにより、75歳以上の高齢者にとってはこれまでの生活に一層の負担を課する制度となると考えられます。その上、診療報酬の引き下げで受診できる医療が制限されることも想定されます。
よって、次年度の後期高齢者医療制度開始までに、負担軽減等の見直しを求めるとともに、高齢者が安心して医療を受けることができる制度の構築を下記のとおり強く要望いたします。


 

  1. 医療費に対する国庫負担割合を引き上げ、高齢者の負担を軽減すること
  2. 低所得者に対する保険料減免制度や医療費一部負担金減免制度を設けること
  3. 後期高齢者が必要で十分な医療が保障される診療報酬とすること


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成19年12月21日

山形県長井市議会

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
財務大臣       額賀 福志郎 様
厚生労働大臣 舛添 要一 様

 

児童扶養手当制度の充実を求める意見書

母子家庭においては、就業していてもその収入は低く、生活保護水準の収入で暮らすものも多くいます。したがって、児童扶養手当は生活に欠かせないものとなっています。
しかし、2002年に児童扶養手当の一部改正が行われ、手当の受給開始後5年を経過した場合や受給要件に該当後7年を経過した時は、手当の額を最大で半額まで削減することとされました。この減額は2008年4月からとされ、母子家庭にとって命綱ともいえる児童扶養手当の減額に不安が高まっています。法改正の前提となっている母子家庭の就労支援が実を結ばない状況では、このような児童扶養手当の削減を行うべきではありません。
よって、政府においては、母子家庭の厳しい生活水準に十分配慮し、児童扶養手当制度の弾力的な運用を図り、自立に向けた就労支援策、雇用環境改善等の一層の拡充を図られるよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成19年12月21日

山形県長井市議会

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
財務大臣       額賀 福志郎 様
厚生労働大臣 舛添 要一 様

 

牛海綿状脳症(BSE)全頭検査に対する全額補助継続を求める意見書

平成13年9月、我が国において初となる牛海綿状(BSE)に感染した牛が確認され、消費者の牛肉離れによる牛肉価格の暴落が農家経営に危機的な大きな打撃を与えました。
政府は補助金をもって牛海綿状脳症全頭検査を実施し、平成15年12月にはトレーサビリティ法の施行により、消費者の牛肉に対する信頼は徐々に回復しました。
そのような中、政府は内閣府食品安全委員会の「20ヵ月以下の感染リスクは低い」との答申を受け、牛海綿状脳症の検査対象を21ヵ月以上の牛に限定しましたが、独自に全頭検査を継続する自治体が続出したのを受け、「平成17年8月から3年間」の期限付きで全頭検査に対する費用を全額補助してきました。
この補助金を平成20年7月で打ち切ることは、我が国の食料・畜産業に対し重要な課題と認識されるため、20ヵ月以下の検査に対する補助金の継続について強く要請いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成19年12月21日

山形県長井市議会

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
厚生労働大臣 舛添 要一 様
農林水産大臣 若林 正俊 様
山形県知事    齋藤 弘 様

 

道路整備の推進と道路特定財源諸税の暫定税率延長等に関する意見書

道路は、国民生活や経済・社会活動を支える最も基礎的な施設でありあります。
高齢化、少子化が進展している中、活力ある地域づくり・都市づくりを推進するためには、高速道路を含む道路の整備はより一層重要となっています。
安心で安全に生活ができる基盤の確立、特に地方では地域間格差の解消と地域活性化を図るために、道路整備に対し強く期待が寄せられています。
このような中、11月13日に国土交通省において「道路の中期計画(素案)」が公表され、真に必要な道路整備を計画的に進めるための政策課題と必要な事業量が示されるとともに、計画を進めるため、道路特定財源諸税に関して必要な制度改正を行うとされたところです。
仮に、年度末に期限切れとなる道路特定財源諸税の暫定税率や地方道路整備臨時交付金制度の廃止など現行の税体系が大幅に変更されることとなれば、立ち遅れている道路整備のみならず、市民生活に多大な影響を受けることとなります。このような実情を十分踏まえ、引き続き「真に必要な道路」の整備が強力・着実に推進されることが求められます。
よって、道路整備を推進するため、下記の事項について強く要望いたします。

一 安定かつ確実な道路整備に必要となる財源が確保されるよう、暫定税率を維持するための関係法令を年度内に確実に成立させるとともに、一般財源化することなく全額を道路整備に充てること。

一 地方道路整備臨時交付金制度については、地方の声を真摯に受け止め、制度の維持・充実を内容とする法案を、年度内に確実に成立させること。

一 真に必要としている道路整備と管理が着実に推進されるよう、未だ整備が不十分である地方への道路特定財源の配分割合を高めるなど、道路整備財源の更なる拡大を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成19年12月21日

山形県長井市議会

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
総務大臣       増田 寛也 様
財務大臣       額賀 福志郎 様
国土交通大臣 冬柴 鉄三 様
山形県知事    齋藤  弘 様

 

一級河川の権限委譲に関する意見書

治水事業は、水害に脆弱な国土を保全し、洪水等の被害から国民の生命と財産を守り、活力のある経済社会と安全で安心な生活環境を築くうえで、欠かすことのできない最も根幹的な事業であり、これまで国家・地域を支える重要な施策として推進されてきました。水系一環管理のもとに上下流・左右岸のバランス等を考慮して整備が進められ、安全度は着実に向上しています。
しかし、地理的条件や厳しい気象条件から自然災害を受けやすい国土構造に加え、気候変動の影響等により台風・豪雨等による大規模水害が全国各地で頻発し、幾多の尊い生命と財産が失われております。
今年も7月の台風4号及び梅雨前線による大雨により、西日本、東日本及び東北南部において洪水被害が発生し、9月の秋雨前線の大雨により、岩手県、秋田県内で甚大な被害が発生しました。
山形県内においても、台風や大雨のたびに浸水被害が発生しており、県中央を流れる最上川は平成9年6月、平成10年8月、平成14年7月、平成16年7月と、近年でも洪水被害が頻発しています。加えて、平成6年8月など渇水が頻繁に生じており、生活に影響を与えていることは、長井ダムの早期完成並びに堤防の整備・強化をはじめ、治水事業の重要性を痛感しています。
さらに、今後は気候変動による異常気象の増加傾向等を踏まえ、水害による人的被害を回避・軽減するとともに、国民の生活や社会経済活動が持続可能となるよう、国の責務として対策を実施していただく必要があります。
このような中、政府の地方分権改革推進委員会の「中間的な取りまとめ」において、「一の都道府県内で完結する河川については、一級河川の指定区間外(国管理区間)を含め、すべて都道府県管理とすべきである」とされていることは、国家レベルで整備・向上させてきた防災力を低下させることにもなりかねず、地域の 安全安心のために治水事業の推進を熱望する我々の切実な声に逆行するものであり、次の事項の実現について強く要望いたします。

一 国民の安全安心を確保するとともに、経済の安定を図るために、同一都道府県内で完結する一級河川であっても、洪水被害による社会経済活動の麻痺による影響が広域に及ぶ場合や、的確な洪水予測技術など河川管理に高度な技術力を要する場合等については、国が自ら管理者として責任を果たしていくこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成19年12月21日

山形県長井市議

衆議院議長    河野 洋平 様
参議院議長    江田 五月 様
内閣総理大臣 福田 康夫 様
総務大臣       増田 寛也 様
国土交通大臣 冬柴 鉄三 様
山形県知事    齋藤 弘 様

 

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議会事務局 議事・調査係

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山形県長井市栄町1番1号
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