平成19年9月市議会定例会 意見書

平成19年9月市議会定例会で議決された意見書は下記の6件です。

割賦販売法の抜本的改正を求める意見書

 クレジット契約は、代金後払いで商品が購入できる利便性により消費者に広く普及している一方で、強引・悪質な販売方法と結びつくと高額かつ深刻な被害を引き起こす危険な道具にもなるものである。
 現在、クレジット会社の与信審査の甘さから、年金暮らしの高齢者に対し、支払能力を超える大量のリフォーム工事、呉服等の次々販売が繰り返されたり、年齢・性別を問わず、クレジット契約を悪用したマルチ商法・内職商法その他の詐欺的商法の被害が絶えないところである。このようなクレジット被害は、クレジット契約を利用するがゆえに悪質な販売行為を誘発しがちとなるクレジット契約の構造的危険性から生じる病理現象であると言える。
 経済産業省の産業構造審議会割賦販売分科会基本問題小委員会は、このように深刻なクレジット被害を防止するため、平成19年2月から、クレジット被害の防止と取引適正化に向けて割賦販売法の改正に関する審議を進めており、本年秋には法改正の方向性が示される見込みにある。今回の改正においては、消費者に対し、安心・安全なクレジット契約が提供されるために、クレジット会社の責任においてクレジット被害の防止と取引適正化を実現する法制度が必要である。
 よって、国においては、割賦販売法改正に当たっては次の事項を実現するよう強く要請する。

  1. 過剰与信規制の具現化
     クレジット会社が、顧客の支払能力を超えるクレジット契約を提供しないように、具体的な与信基準を伴う実効性ある規制を行うこと。
  2. 不適正与信防止義務と既払金返還責任
     クレジット会社には、悪質販売行為等にクレジット契約を提供しないように、加盟店を調査する義務だけでなく、販売行為が無効・取消・解除であるときは、既払金の返還義務を含むクレジット会社の民事共同責任を規定すること。
  3. 割賦払い要件と政令指定商品制の廃止
     1~2回払いのクレジット契約を適用対象に含め、政令指定商品制を廃止することにより、原則としてすべてのクレジット契約を適用対象とすること。
  4. 登録制の導入
     個品方式のクレジット事業者(契約書型クレジット)について、登録制を設け、契約書面交付義務及びクーリング・オフ制度を規定すること。
     

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。


平成19年9月21日

山形県長井市議会

衆議院議長        河野 洋平 様
参議院議長        江田 五月 様
内閣総理大臣     安倍 晋三 様
経済産業大臣     甘利 明    様

 

教育予算の拡充を求める意見書

 子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことです。
現在、山形県独自の「さんさんプラン」をはじめ、多くの都道府県で児童生徒の実態に応じ、きめ細かな対応ができるようにするために、少人数教育が実施されており、保護者や子どもたちから大変有益であるとされています。
 しかし、義務教育費国庫負担金の負担割合が2分の1から3分の1に縮小されたことや地方交付税削減の影響、厳しい地方財政の状況などから自治体独自に少人数教育を推進することには限界があります。
 このため、学校施設などを含めて教育条件の地域間格差も拡がりつつあります。一方、就学援助受給者の増大に現れているように、低所得者層の拡大・固定化が進んでいます。自治体の財政力や保護者の所得の違いによって、子どもたちが受けるライフラインとしての「教育水準」に格差があってはなりません。
 日本の教育予算は、GDP比に占める教育費の割合や教職員数などに見られるように、OECD諸国に比べて脆弱と言わざるを得ません。教育は未来への先行投資であり、子どもたちにはどこに生まれ育ったとしても、等しく良質な教育を受ける権利があり、それを守っていくことが我々大人の責任であり、社会基盤の維持・強化につながることでもあります。
 そのため、教育予算を国全体として、しっかりと確保・充実させる必要があります。
 よって、国においては、次の事項を実現するよう強く要請します。

  1. きめの細かい教育の実現のために、義務制第8次・高校第7次教職員定数改善計画の策定を実施すること。
     
  2. 義務教育費国庫負担制度について、国負担率の2分の1に復元することを含め、制度を堅持すること。
     
  3. 学校施設整備費、就学援助・奨学金など教育予算の充実のため、地方交付税を含む国の予算を拡充すること。
     
  4. 教職員に人材を確保するために、教職員給与の財源を確保・充実すること。
     

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
 

平成19年9月21日

山形県長井市議会

衆議院議長        河野 洋平    様
参議院議長        江田 五月    様
財務大臣           額賀 福志郎 様
文部科学大臣     伊吹 文明    様

 

地方財政の充実・強化求める意見書

 地方分権の推進、地域経済・雇用創出の促進、少子・高齢化への対応、地域レベルでの環境需要の高まりのなかで、基礎自治体が果たす役割は一段と高まっています。しかし、政府は地域間の経済格差を放置したまま「歳出・歳入一体改革」に基づく歳出削減により地方財政の圧縮を進め、さらに、2007年4月からスタートした地方分権改革推進委員会では、行政コストの削減を優先する行政改革、財政再建のための分権改革の議論が先行し、国・地方の役割や税財源配分の見直しなど、地方自治の拡充のための分権改革からかけ離れた議論が展開されています。
 自治体財政硬直化の要因は、景気対策による公共事業の増発に対する公債費であり、国の政策に地方が協力を強いられてきたことが主な要因です。新型交付税の導入や地方財政計画の見直しなどによる一方的な地方財政の圧縮は、国の財政赤字を地方に負担転嫁するものであり容認できません。今目指すべき方向は、地方財政計画策定や交付税算定プロセスに地方が参画するもとで、地方税の充実強化、地方交付税制度の財源保障機能と財政調整機能を堅持し、自治体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保することです。
 2008年度予算は「基本方針2007」に沿って概算予算作成が開始することになりますが、より住民に身近なところで政策や税金の使途決定、住民の意向に沿った自治体運営を行うことができるよう、2008年度政府予算における地方財政の充実・強化を目指す立場から次のことを強く求めます。

  1. 国:地方の税収割合5時5分の実現に向けて、さらなる税源移譲と国庫補助負担金改革を進め、地方自治の確立と分権改革の基盤整備につながる税財政制度の改革を進めること。特に、自治体間財政力格差を是正するための地方税の充実強化を図ること。
  2. 国が法令に基づく事業実施を自治体に義務づけ、自治体間の財政力格差が大きい現状においては、地方交付税制度の財源保障と財政調整の機能を堅持し、自治体間の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保すること。
  3. 地方自治体の意見を十分踏まえた対処を行うこと。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。


平成19年9月21日

山形県長井市議会

衆議院議長        河野 洋平 様
参議院議長        江田 五月 様
内閣総理大臣     安倍 晋三 様
経済産業大臣     甘利 明    様

 

山形地方法務局長井支局統廃合に反対する意見書

 山形地方法務局長井支局は、明治23年に長井市及び飯豊町の大部分の登記を管轄する出張所として開庁され、平成4年に支局に昇格し1市3町の戸籍事務をはじめ、供託事務、訴訟事務、人権擁護事務を開始し、同年、白鷹出張所を統合、平成5年には小国出張所を統合し、今日に至っております。
 長年の間、長井支局が法務行政機関として、国民の権利、財産の保全及び人権擁護等々について役割を全うされてきたことにより、地域住民が浴した恩恵は多大なものがあります。
 そのような中、平成7年7月4日付で民事行政審議会会長から、法務局及び地方法務局の支局または出張所の適正配置の基準等に関する諮問に対する答申が出され長井支局も統廃合されるとの情報があります。
 農業の情勢が変わり農地の集積による農地の売買、移動等で権利設定が多くなり、乙号件数が増加している状況下にあることや、社会情勢の変化による基本的人権の侵害など、法務行政が果たすべき役割が益々重要視されています。
 また、国においては、税源移譲など地域主導による地域づくりを国民的な政策課題として推進しており、当市においても地域社会の活性化を求めて種々努力を重ねているところであります。
 このようなことから、地域の法務行政の拠点として、地域社会に密着した長井支局が統廃合されるようなことになれば、市民の精神的、経済的負担は計り知れず、市勢発展を著しく阻害する決定的要因になることは明らかであります。
 よって、長井支局の存続を強く要望するものであります。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


平成19年9月21日

山形県長井市議会

衆議院議長            河野 洋平 様
参議院議長            江田 五月 様
内閣総理大臣         安倍 晋三 様
法務大臣               鳩山 邦夫 様
内閣府特命大臣 国・地方行政改革担当 渡辺 喜美 様
仙台法務局長         小口 哲男 様
山形地方法務局長   大原 哲三 様

 

公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保を求める意見書 

 我が国の建設業を取り巻く環境は、元請と下請という重層的な関係の中で、他の産業では常識とされる明確な賃金体系が現在も確立されず、仕事量の変動が直接、施工単価や労務費の引き下げという形になり、結果的に建設労働者の生活を不安定なものにしている。
 諸外国においては、公契約に係る賃金等を確保する法律、いわゆる「公契約法」の制定が進んでいるものの、日本においては「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の議決に際して、国会で「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」との付帯決議が付されたにすぎず、いまだその実効性ある施策は進められていない。
 建設業を健全に発展させ、工事における安全や品質の確保とともに、雇用の安定や技術労働者の育成を図るためには、公共事業における新たなルールづくりが必要であると考える。
よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。

  1. 公共事業において、建設労働者の適正な賃金が確保されるよう、「公契約法」の制定を進めること。
  2. 「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の付帯決議事項の実効性のある施策を進めること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成19年9月21日

山形県長井市議会

衆議院議長        河野 洋平 様
参議院議長        江田 五月 様
内閣総理大臣     安倍 晋三 様
総務大臣           増田 寛也 様
厚生労働大臣     舛添 要一 様
国土交通大臣     冬柴 鉄三 様

 

山形鉄道株式会社に対する県の財政支援を求める意見書 

 「フラワー長井線」の運行主体である第3セクター山形鉄道株式会社は、「経営改善計画」に基づき、経営健全化に向けた自助努力を進めています。これに対し、平成17年度以降、県と沿線自治体は一体となって山形鉄道運営助成基金を使った財政支援を行っているほか、沿線各自治体においては固定資産税相当額の補助も行っております。
 また、山形鉄道株式会社では、経営効率化や地域の足としての利便性向上に努める一方、観光関連での利用増にも力を入れ、「やまがた花回廊キャンペーン」などに合わせた地域外からの誘客の促進や、「七夕列車」などのイベント列車の魅力向上により、徐々にその成果を上げつつあります。
 さらに、沿線住民の「1人1回乗車運動」、特定非営利活動法人フラワー長井線をつなぐ会(FNの会)による利用券の販売斡旋活動、住民の自主的な利用拡大の活動を支援するマイレールサポート事業、沿線自治体職員のノーマイカーデーでの通勤利用、高校生や駅協力会による各駅やその周辺環境の整備など、沿線自治体と地域住民が一体となって「マイレール」意識の高揚を通じた利用拡大や支援活動に努めています。
 こういった沿線住民と高校生が一体となった支援活動を背景に、鉄道を利用した沿線地域活性化への取組みが評価され、平成18年10月、山形鉄道株式会社は第5回日本鉄道賞の表彰選考委員会特別賞を受賞しています。
 しかしながら、少子化に伴う高校生の減少で、収入の大部分を占める定期収入は減り続けており、今後も増収体制の確立に向けた道には険しいものがあり、経費削減についても鋭意取り組まれておりますが、安全運行確保等の観点から自ずと限界があります。
 現在、フラワー長井線は年間77万人が利用する通勤・通学者の足として、置賜全体の教育の機会を確保し、冬期間の優れた定時性や、安全性、大量輸送性を保ちながら、高齢社会への対応や地球温暖化防止にも貢献しており、これらを考慮すると、安全で安定した運行を継続する必要があります。
 つきましては、山形鉄道株式会社に対する県の財政支援に特段のご配慮をお願い申し上げます。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。

平成19年9月21日

長井市議会

山形県知事      齋藤 弘 様

この記事に関するお問い合わせ先

議会事務局 議事・調査係

〒993-8601
山形県長井市栄町1番1号
電話番号:0238-82-8021 ファックス:0238-87-3374


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