平成20年9月市議会定例会 意見書

平成20年9月市議会定例会で議決された意見書は下記の7件です。

地方財政の充実・強化を求める意見書

 地方分権の推進、少子・高齢化の進行、産業・雇用対策、地球規模や地域レベルの環境保全需要、災害・事故に対する安全対策など、地域の行政需要が増大しており、地方自治体が果たす役割はますます重要になっています。
 一方、2008年度に創設された地方法人事業税の国税化と都市部の税収を活用した「地方再生対策費」は格差是正策としては不十分であり、地方分権に逆行する措置です。過去の景気対策と地方交付税の大幅圧縮により自治体財政硬直化を招いた国の財政責任は極めて重いにもかかわらず、自治体財政健全化法のもとで地域・自治体に財政責任を押し付けています。医療、福祉、環境、ライフラインなど住民生活に直結する公共サービスを削減することは容認できません。
 このため、2009年度予算では深刻化する地域間格差の是正と公共サービスの充実にむけ、地方財政圧縮を進める政策の転換をはかり、地方税の充実強化、国が果たす財源保障に必要な財源を確保することが重要です。住民に身近なところで政策や税金の使途を決定し、地方分権の理念に沿った自治体運営を行うことができるよう、地方財政の充実・強化を図るため、次のことを強く求めます。

  1. 医療、福祉、環境、ライフラインなど地域の公共サービスの水準の確保と地方分権推進にむけて、国・地方の税収配分5時5分を実現する税源移譲、地方交付税機能の強化により地方財源の充実強化をはかること。特に2,200億円の社会保障費の削減を見直し、自治体の社会保障費に対する財源を拡充すること。
  2. 自治体間の財政力格差は、地方間の財政調整によることなく、地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化により是正をはかること。
  3. 自治体財政健全化法のもとで公表される財政指標の基準のみで、必要な公共サービスの削減につながることのないよう、政府全体として十分な財政措置を行うこと。
  4. 地域住民・地方自治体の意見を十分に踏まえた対処を行うこと。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

 平成20年9月19日

山形県長井市議会

 衆議院議長              河野 洋平 様
 参議院議長              江田 五月 様
 内閣総理大臣           福田 康夫 様
 総務大臣                 増田 寛也 様
 財務大臣                 伊吹 文明 様
 経済産業大臣           二階 俊博 様
 内閣府特命担当大臣  与謝野 馨 様
(経済財政政策規制改革)

 

電源開発促進税の見直しと新たな自然エネルギー促進法の制定を求める意見書

 異常ともいえる原油高のために多くの物価引き上げに続き、電気代も値上げされようとしています。また、多くの産業界では悲鳴を上げています。投機資金の流入という要因を除いても原油高は需給の動向から基本的な動きだといえます。地球温暖化の問題解決も抜き差しならない段階に来ています。すでに自然エネルギー重視の先進国であるスウェーデンは、現在石油依存度は30%で、26%を再生可能エネルギーが占めています。その上で2020年度までに脱石油国家を目指すと宣言しています。ドイツでは太陽光発電は1キロワット時70円以上で買い取るため、太陽光発電施設の初期投資は10年程度で回収できます。
 一方、日本では電力供給の一定割合を義務づけた「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」があるものの、2010年度の義務量は販売電力の1.35%にあたる122億キロワット時に過ぎません。買い取り料金も低すぎます。
 また、原子力発電は燃料になるウラン235は天然ウランの0.7%に過ぎず、発電効率も30%程度で大部分の熱を海に排出しています。何よりも処理困難な放射性廃棄物という大問題を抱えています。
 それにもかかわらず電力消費者は1000キロワット時あたり375円の電源開発促進税を払い、年間4千億円近い電源開発促進税は主に原発立地促進対策に使われています。しかし、立地が進まない中ではこれを見直して再生可能なエネルギー開発に税の用途をシフトさせるべきです。
 また、一日も早い脱石油社会を目指して、地域の特性に応じた自然エネルギーの開発促進や自治体と市民の連携を伴う新たな自然エネルギー促進法に取り組むことを強く求めるものであります。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

 平成20年9月19日

山形県長井市議会


 衆議院議長     河野 洋平 様
 参議院議長     江田 五月 様
 内閣総理大臣  福田 康夫 様
 総務大臣        増田 寛也 様
 財務大臣        伊吹 文明 様
 経済産業大臣  二階 俊博 様

 

地域医療の拡充を求める意見書

 少子高齢化の進展、医療ニーズの多様化など我が国の医療を取り巻く環境は大きく変化し、地域や診療科における医師の不足及び偏在や看護師をはじめとした医療スタッフの不足の解消は大きな課題となっており、地域医療サービスをめぐっては「医療過疎」や「医療の貧困」とも言える状況に全国で直面しています。
 しかしながら、政府や経済財政諮問会議等は、急速な少子高齢化の中で増大せざるを得ない医療サービスや医療保険財政を歳出抑制によって乗り切ろうとしています。
 また、昨年末には、「公立病院改革ガイドライン」が出され、経営の効率化、再編・ネットワーク化や経営形態の見直しなどの改革プラン策定を義務づけています。山形県においては公立病院への依存率が高く、再編・ネットワーク化によっては、地域医療サービスの低下が懸念されます。
 地域医療は、住民の生命・健康に直結する不可欠なライフラインの公共サービスであり、国民が安心と信頼の上に地域医療にアクセスできる医療提供体制を確保することは、国の責務であります。
 このため、全国民が安心で信頼できる医療を地域で受けられるための政策及び財政措置を講ずるよう政府に対し次のとおり求めます。


  1. 崩壊の危機に直面している地域医療の再構築を図るため、国による一層の財政支援措置を講ずること。
  2. 地域医療を担う医師・看護師などの確保と養成を行うための必要な施策を拡充するとともに、必要な財政的支援体制を国が行うこと。
  3. 救急医療体制や周産期医療体制を整備維持するため、従事する勤務医等の労働環境の改善を図るなど支援策の拡充を図ること。
  4. 病院事業に係る地方交付税措置については、不採算地区病院、小児・救急・精神科・へき地・高度・周産期医療、追加費用などについて、その所要額を確実に確保すること。


   以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

   平成20年9月19日

山形県長井市議会



 衆議院議長     河野 洋平 様
 参議院議長     江田 五月 様
 内閣総理大臣  福田 康夫 様
 総務大臣        増田 寛也 様
 財務大臣        伊吹 文明 様
 厚生労働大臣  舛添 要一 様

 

障害者自立支援法の抜本的改正を求める意見書

 障害者自立支援法が一昨年4月に施行され、障がい者の就労支援が位置づけられるとともに、介護給付・訓練給付などに対する原則1割の応益負担と施設入所に係る食費等について実費負担が導入されました。
 この制度は、障がいのある方が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう福祉サービスや就労支援サービスなど必要な支援は行うとともに、これら障がい者福祉サービスの費用を社会全体で支え合うことが趣旨とされています。
 しかし、原則1割の応益負担の導入については、収入状況に応じて月額負担の上限額の設定や各種の軽減措置がとられてはいるものの、利用者負担が従前と比べ大幅に増加するという事態を招いています。また、施設運営においても一定の激変緩和策がとられているものの、日額報酬単価払い方式へと変更されたことにより、運営費の大幅な減収が生じることとなり、関係者から改善を求める要望が出されています。
 昨年4月の特別対策及び08年度予算での緊急対策がとられたものの、根本的な解決とはなっていません。見直しの時期を来年に控え、障害者自立支援法のあり方が検討されている現在、障がい者や施設運営の安定に対する抜本策として、下記の事項を講ずるよう強く要望いたします。


  1. 利用者負担について、原則1割負担となる応益負担を撤廃し、応能負担とすること。
  2. 施設・事業所への報酬単価を引き上げるとともに、日額払い方式を月額払い方式に改めること。
  3. 地域生活支援事業について、地方自治体が積極的に施策展開が行えるよう必要かつ十分な財政支援措置を講ずること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

 平成20年9月19日

山形県長井市議会


 衆議院議長     河 野 洋 平 様
 参議院議長     江 田 五 月 様
 内閣総理大臣  福 田 康 夫 様
 財務大臣        伊 吹 文 明 様
 厚生労働大臣  舛 添 要 一 様

 

原油、農業生産資材等の価格高騰対策の実施を求める意見書

 これまで異常で大幅な高騰を続けてきた原油価格は、最近、ようやく下落傾向にあるものの、依然として高止まりとなっています。また、異常気象の影響等により生産量が減少する中、世界的な食料需要の増加やバイオ燃料需用の増加に伴い、国際的に穀物価格も高騰しています。
 この原油及び穀物の価格高騰は、あらゆる農業生産資材等の価格高騰にも大きな影響を与えていますが、こうした価格高騰による生産コストの上昇分は、農業者の出荷価格に反映されないため、農業者の経営にとって重大な打撃となっています。これまで、農業者は、燃料の省エネルギー技術や施肥体系の低コスト化技術の普及等にも懸命な努力を重ねてきましたが、自助努力だけでは解決できない危機的な事態に陥っています。
 安全で安心な食糧を確保するため、食糧の自給率向上が求められている中、現在の危機をどのように乗り切るかが緊急の課題であり、国において万全な対策が必要です。
よって、下記事項の実現について強く要望いたします。


  1. 稲作の収入減少補てん対策(水田経営所得安定対策)でカバーできない再生産コストを賄う万全の経営安定対策の確立等、具体的な対策を講じること。
  2. 緊急に平成20年度の特例として、生産費急増に対応する補てん額を上乗せする措置をとること。
  3. 米以外の作物についても、生産コストの増大に即応する経営安定策の確立等、具体的な対策を講じること。
  4. 省エネ施設、設備の購入、コスト低減を目指す施肥体系への転換等、農業経営の維持のために必要な支援対策を講じること。
  5. 営農継続のための資金融通については、生産者負担を最大限軽減する金利水準とすること。
  6. 生産者コストの増大に伴う必要な価格転嫁について、消費者の理解と協力を得るため、万全な対策を講じること。
  7.  原油や穀物への投機を規制すること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

 平成20年9月19日

山形県長井市議会


 衆議院議長              河野 洋平 様
 参議院議長              江田 五月 様
 内閣総理大臣           福田 康夫 様
 農林水産大臣 様
 経済産業大臣           二階 俊博 様
 内閣府特命担当大臣  野田 聖子 様
 (消費者行政)

 

生活品の物価高騰に対する緊急対策を求める意見書 

 原油高騰は、原材料や資材価格、各種食料品、エネルギー等の諸物価高騰など、国民生活や産業・経済活動に多大な影響を及ぼしています。
 日本の景気は、さらに減速している見方が増え、特に生活困窮者にあっては「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されなくなる恐れがあります。
 また、これまでの景気回復下において、国と地方の格差は拡大し、地域経済は疲弊している状況にあります。賃金や可処分所得が年々低下する中にあって、物価高騰による購買力の低下は、住民生活を圧迫し、さらなる地域経済の悪化や地方行政運営に深刻な影響を与えることが懸念されます。
 よって、国民生活や地域経済の安定確保に向け、下記事項の実現について強く要望いたします。

  1. 原油や食糧の高騰に伴う実質所得低下を緩和するため、所得税減税や生活困窮者に対する補助金制度の創設、生活扶助基準に対する物価上昇分(3%程度)の上乗せを行うこと。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

 平成20年9月19日

山形県長井市議会


 衆議院議長              河野 洋平 様
 参議院議長              江田 五月 様
 内閣総理大臣           福田 康夫 様
 財務大臣                 伊吹 文明 様
 厚生労働大臣           舛添 要一 様
 内閣府特命担当大臣  野田 聖子 様
 (消費者行政)

 

事故米穀の不正規流通の早期解明と再発防止対策の確立を求める意見書

 本市は、米の主産地として、生産調整をはじめとする米政策改革に取り組むとともに、安全・安心な農産物生産にむけ、レインボープランによる生ごみの堆肥化など人や環境にやさしい農業の推進を目指しています。
 しかるに、今般の事故米穀の不正規流通は、農業者の努力に逆行し、国民の食の安全に対する信頼を著しくゆるがすものであり、米の消費拡大に水をさすものともいえます。世界的に農産物の価格が高騰している中、食料自給率向上が求められ、国内農業の強化に向けて、米については主食用の流通拡大はもちろんのこと、米粉、飼料用などの新規需要拡大を目指していますが、事故米穀の不正規流通が発生するようでは、生産者も消費者もともに不安を覚えざるを得ません。
 ついては、国民の食の安全に対する信頼を確保するため、下記事項の実施を強く要望いたします。

  1. 国民の食の安全を確保する観点から、事故米穀の不正規流通問題の早期全容解明と再発防止対策の確立を図ること。
  2. ミニマムアクセス米の品質検査を徹底し、事故米穀は輸入をしないこと。
  3. 加工用米、飼料用米などの流通と価格の総合的検証を行い、不正規流通防止対策を講ずるとともに、米関連商品の原料米原産地表示制度の確立を図ること。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

 平成20年9月19日

山形県長井市議会


 衆議院議長             河野 洋平 様
 参議院議長             江田 五月 様
 内閣総理大臣          福田 康夫 様
 農林水産大臣                        様
 経済産業大臣           二階 俊博 様
 内閣府特命担当大臣  野田 聖子 様
 (消費者行政)

 

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議会事務局 議事・調査係

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山形県長井市栄町1番1号
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