平成26年9月市議会定例会 意見書

平成26年9月市議会定例会で議決された意見書は下記の3件です。

「農政改革」の再検討と緊急の過剰米処理を求める意見書

 政府が今すすめようとしている「農政改革」は、農業だけでなく、国民の食料と地域の将来に重大な影響を及ぼしかねないものです。
 農業委員の公選制を廃止し、地域農業振興の建議機能をなくすることは、農地管理や農業振興に対する農民の意見表明の場を奪うことになり、農業生産法人の要件緩和と合わせ、企業の農地取得に道を開くことにつながります。また、JA中央会の見直し、全農の株式会社化、さらには単位農協から信用・共済事業を分離することは、家族農業や地域経済を支え、地域のインフラを提供している農協の役割をないがしろにするもので、労働者の雇用にも重大な影響をあたえます。また、自主的に運営されるべき協同組合の存在を否定することにもつながります。
 いま食料危機が心配されるなか、将来にわたって安全・安心な食料生産・供給を担い、環境と調和できるのは家族農業であり、農業政策の基本を企業の参入・進出に置くのではなく、家族農業を基本とし、それを支える諸制度の充実、地域コミュニティーの維持、協同組合を発展させることこそが重要だと考えます。
 政府の「農政改革」の動きの中で、2014年産米は超早場米の消費地での取引価格が暴落し、全国的な価格の大暴落も強く懸念されます。今年から経営所得安定対策が半減され、米価変動補てん交付金も事実上、廃止されたもとで、米価がさらに暴落するなら、再生産が根底から脅かされることになります。とりわけ、担い手層の経営への打撃ははかりしれないものがあります。
 この間の米価の下落は、今年6月末の在庫が2年前に比べて75万トンも増える見通しを政府が認識しながら、有効な対策を講じてこなかったことにあり、「攻めの農政改革」で5年後に政府が需給調整から撤退する方針を打ち出したことも追い打ちをかけています。
 長年にわたり、生産者は政府の減反、転作方針に協力してきました。その点からも、主食の米の需給と価格の安定をはかるのは現在も政府の重要な役割です。過剰基調が明確になっている今、政府の責任で需給の調整を行うのは当然であり、緊急に対策を実施することが求められています。
 以上の趣旨から、下記の事項について強く求めます。


 

  1. 農政改革にあたっては、農業の担い手の軸を家族経営とし、これを支援する諸制度の充実、農業委員会、農協の役割の強化等、生産の振興と食料自給率の向上に資するものにすること。
  2. 緊急に過剰米処理を行うこと。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成26年9月26日

山形県長井市議会

衆議院議長     伊吹 文明 様
参議院議長     山崎 正昭 様
内閣総理大臣  安倍 晋三 様
農林水産大臣  西川 公也 様


米価下落等に関する意見書

 平成25年産米は、米消費の減少や契約・販売進度の大幅な遅れなどから、 約30万トンが古米として持ち越される見通しとなっており、これから収穫期を迎える26年産米の需給と価格への影響が懸念されます。
 さらに、26年産米は、過剰作付けが見通されることや、豊作基調で推移していることなどから過剰米の発生が予想されており、25年産米の持越し在庫などと合わせ60万トンもの需給ギャップが生じかねない情勢となっております。
 こうした状況から、需給緩和による産地間競争が激化し、過去に例を見ない水準まで価格が下落する懸念があり、農業および稲作農家の経営に対する甚大な影響が危惧されるばかりでなく、全国的な生産数量目標の削減も懸念されます。
 ついては、管内稲作農家が安心して経営を展望できるよう、下記事項の早期実現に向け政府に対し強く要望します。


 

  1. 過剰米対策について
    国が、米の需給状況改善に関与し米価下落を回避するため、過剰米を主食市場から隔離すること。
  2. 需要拡大対策について
    消費量の減退が過剰米発生の要因となることから、需要拡大対策を強力に進めること。
  3. 水田農業対策の確立について
    水田農業対策は、再生産可能な制度設計と予算を明確にしつつ、全販売農家が参画する万全な措置を講じること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出いたします。

 平成26年9月26日

山形県長井市議会


衆議院議長     伊吹 文明 様
参議院議長     山崎 正昭 様
内閣総理大臣  安倍 晋三 様
農林水産大臣  西川 公也 様


集団的自衛権の行使に反対する意見書

 安倍政権は7月1日、国民の多数の反対を押し切り、集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行しました。
 集団的自衛権は、日本が直接攻撃を受けていないのに、同盟国や親密な国が攻撃を受けた場合、連帯して武力で反撃する行為であり、憲法9条が堅く禁止しているものです。このため、歴代の内閣も「憲法9条のもとでは、海外での武力行使は許されない」としてきました。
 集団的自衛権行使容認の閣議決定は、憲法とこれまでの政府見解を180度転換し、「海外で戦争をする国」へ道を開くものです。
 こうした憲法改定に等しい大転換を、一内閣の閣議決定で強行するなどということは、立憲主義を根底から否定するものです。
 当議会は、憲法9条を破壊し、日本を戦争をする国に変えてしまう暴挙に抗議し、以下のことを求めます。


 

  1. 集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回すること。
  2. 集団的自衛権行使のための立法措置を行わないこと。
  3. 日本国憲法第9条を守り、生かすこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。

平成26年9月26日

山形県長井市議会

衆議院議長     伊吹 文明 様
参議院議長     山崎 正昭 様
内閣総理大臣  安倍 晋三 様

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