「奨学金」利用者は年々増加し、大学生の2人に1人が何らかの「奨学金」を利用しています。その背景には、私立大学初年度納付額の平均が1,312,526円、国立大学では標準で817,800円と高騰していることや、家庭収入が減少していることにより、「奨学金」に頼らなければ大学に進学できない学生が多数を占めることによるものです。
一方、不安定雇用や低賃金により、卒業しても返済に苦しみ、「返したくても返せない」若者が増加しており、滞納者は33万人に及んでいます。そもそも「安定した収入を得て返済する」という制度の前提条件が大きく崩れているといわざるを得ません。また、滞納者には年5パーセントの延滞金が課せられ、延滞後の返還金がまず延滞金に充当されるため、元金が長期間減らないことも大きな負担になっています。そのため、結婚や出産、子育てへの影響も懸念されているところです。
OECD(経済協力開発機構)加盟34か国のうち半数近くの国の大学は授業料が無償で、32か国に公的な給付型奨学金制度が整備されています。大学の授業料が有償で、公的な給付型奨学金制度がないのは日本だけです。
若者を社会全体で応援し、急速に進む少子高齢化や地方の衰退に歯止めをかけるため、下記事項を実施するよう強く要望します。
記
- 速やかに大学等において国の給付型奨学金制度を導入するとともに、高校を含めて拡充すること。
- 当面、貸与型奨学金は無利子とし、制度拡充までの間、返済金は元金・利息・延滞金の順に充当するとともに、所得に応じた無理のない返済制度を確立すること。
- 大学等の学費の引き下げや授業料減免の拡充を実行すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成28年3月24日
山形県長井市議会
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 山崎 正昭 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
文部科学大臣 馳 浩 様
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更新日:2018年03月27日