ながい食育通信vol.3~長井市行者菜生産グループへ食育インタビュー~

市民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むためには「食」はとても重要であり、あらゆる世代で大切なことです。市民一人ひとりが心身ともに健康で活き生きとした毎日を送るために、長井市では食育推進計画を策定し食育を推進しています。

ながい食育通信では、『食』に関するさまざまな活動に取り組まれている市民の方々や団体、企業など食育活動情報をご紹介します。

野菜ライン

今回のテーマ「長井市行者菜生産グループさんの食育インタビュー」

長井市での行者菜の栽培

長井市を代表する特産品「行者菜」の栽培のはじ行者菜栽培まりは、平成17年に地元生産者の横澤芳一氏と遠藤孝太郎氏が宇都宮大学助教授から行者菜の話を聞いて興味を持ったことがきっかけでした。作ってみたいと申し出ると、行者菜は生産の前例がない新野菜で、「行者にんにくが自生しているような場所でそこの産品として山菜に近い位置づけで作ってほしい」という開発者の思いがあり、栽培の可能性を探った両者は、行者にんにくの生産地である勧進代地区の農家を中心としたグループを結成し、平成18年から試験栽培を開始しました。この長井市の取組みが全国の先駆けとなり、紆余曲折を経ながら栽培方法を確立していきました。現在は、県内だけでなく、県外からの需要もあり、地元では飲食店や加工食品、学校給食でも行者菜の食材が使われ、市民にとって「長井といえば行者菜」が浸透しています。

今回は長井市での行者菜の栽培、生産の第一人者となった長井市行者菜生産グループの横澤芳一氏と遠藤孝太郎氏に行者菜の歴史や地産地消への思いについてインタビューした内容をまとめました。

行者菜とは?

強壮特殊山菜として希少価値の高い「行行者菜者にんにく」を手軽に食べることができるように開発された野菜。「行者にんにく」と「にら」を交配することで、栄養価が高く、収穫時期が長いのが特徴。行者菜は滋養強壮のもととなる「硫化アリル」の含有率が「行者にんにく」よりも高く、この硫化アリルが疲労回復や殺菌効果を有するだけでなく血液中の脂質を減らし、生活習慣病を予防するといわれている。

出荷時期:5月~9月頃

 

 

行者菜との出会い

行者菜行者菜を食べてみると香りがとても強烈で驚き、行者菜を作ってみたいと申し出た。取組み始めは特に頑張った。今までほ場での栽培がなかったため、苗作りから始まった。特性がわかるまで5年はかかった。売ることよりも権利や表示方法などのやりとりの方が苦労した。

はじめはニラと差別化を図るのが難しく、差別化に悩んでいたところ、東北芸術工科大学に協力を得て、行者菜のイメージキャラクターを制作した。キャラクター入りのパッケージに変えると、ニラと差別化できるようになった。現在行者菜は、1道5県(北海道、青森、岩手、秋田、宮城、山形)で栽培されていて、品質管理のために全国共通のキャラクターを使用し、サイズや数量など守って出荷を行っている。行者菜は栽培契約に基づいているため、許可なく栽培や流通しないように細心の注意を払っている。

産地として立ち上がらなければ

関東、関西行者菜説明会圏で需要が増えているが生産量が追い付かなくなり、大規模な営業活動ができない状況が続いている。生産量が増えればもっと販路を拡大できる作物である。平成29年に5年にかけて「行者菜100人プロジェクト」で行者菜のPRに力を入れ、生産者や栽培面積を拡大することができたが、いまだ人手不足で現在の生産者もこれからどんどん高齢化が進んでいく。行者菜は軽作業でできるので女性や年配の方も栽培しやすく、農業をしたことがない人にも余暇の活用や家計の副収入としてお勧めしている。毎年行者菜栽培について説明会も開催している。興味がある方がいればぜひ行者菜生産グループか農林課へご連絡いただきたい。

近年は天候が激変し、雹や高温による干ばつで減収した年があった。効率よく出荷するために早咲き系の株を研究し、従来のものと交互の出荷を目標にやっている。

農薬・化学肥料不使用で安心安全な健康野菜

地元でもたくさんの方に食べていただきたいので地元の食品加工業者や飲食店にご協力いただき、行者菜を使ったメニューを開発している。行者菜の瓶詰は素材を生かして生の行者菜を使用している。食品宅配サービス系の通信販売でも購入できる。また長井市の小野料理教室主宰の小野先生による行者菜レシピ集も発行した。県外への市場開拓はイベントに参加して直接取引している。コミュニケーションや情報交換の場として対面でのやりとりは一番大切にしている。

小野料理教室おすすめ行者菜レシピのご紹介

五色スタミナ漬

五色スタミナ漬け

【材料(4人分)】

  • 行者菜:1束
  • 大根:4センチ
  • 人参:3センチ
  • みょうが:4個
  • 生姜:少々
  • きゅうり:1本
  • 白ごま:大2
  • 塩・砂糖:適宜  

 

【作り方】

1.行者菜はさっとゆで3センチの長さに切る。大根と人参は線切りし、塩を少々あてしんなりしたらしぼる。

2.みょうが、生姜は線切り。きゅうりは小口切りする。

3.ボールに1.と2.を入れ、白ごまを混ぜ塩・砂糖で調味して30分位漬ける。 

行者菜オムレツ

行者菜オムレツ【材料(4人分)】

  • 卵:4個
  • 行者菜:1束
  • じゃがいも:2個
  • 合挽肉:200グラム
  • ケチャップ

【A】

みりん:大1

しょうゆ:大2

水:2分の1カップ

【B】片栗粉:大1

水:大1

サラダ油:大1

ごま油:小2

【作り方】

1.下ごしらえ

  • 行者菜は2センチずつ切り、皿に並べてラップをして電子レンジに2分かける。

(注釈)作る量を多くする場合には行者菜をゆでる。

  • じゃがいもは1センチ角切りし水にさらす。

2.オムレツ作り

  • フライパンにサラダ油を熱し合挽肉を炒め、火が通ったらじゃがいもと【A】を加えてふたをして煮る。

(注釈)量を多く作るときにはあらかじめじゃがいもを煮てから炒めると良い。

  • じゃがいもがやわらかくなったら、行者菜を加え【B】を加えてとろみをつけ火をとめる。

3.具を包んでオムレツ形を作る。

  • 卵を1個割りほぐす。フライパンを熱してごま油小さじ2分の1を回し入れ、卵を流してすぐフライパンいっぱいに広げる。表面が固まりかけてきたら2.の4分の1の量をのせてオムレツ形に形作る。

4.皿に移しケチャップをかければ完成!

公式ホームページ

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長井市の食育推進計画

長井市では、令和6年3月に第3次長井市食育推進計画を策定しました。詳細につきましては下記のリンク先からご覧いただけます。

この記事に関するお問い合わせ先

農林課 農政振興係

〒993-8601
山形県長井市栄町1番1号
電話番号:0238-82-8015 ファックス:0238-87-3369


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