ながい食育通信vol.4~学校給食等地産地消推進員へ食育インタビュー~
市民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むためには「食」はとても重要であり、あらゆる世代で大切なことです。市民一人ひとりが心身ともに健康で活き生きとした毎日を送るために、長井市では食育推進計画を策定し食育を推進しています。
ながい食育通信では、『食』に関するさまざまな活動に取り組まれている市民の方々や団体、企業など食育活動情報をご紹介します。
今回のテーマ「学校給食等地産地消推進員」の食育インタビュー
生産者と給食をつなぐコーディネーター
長井市内の小中学校の学校給食や児童センターの幼児給食には、地元生産者が作った農産物が使われています。給食に必要な量の食材を確保し、毎日新鮮な食材を安全に調理場へ提供するためには、生産者側と給食を作る調理場側の事情を理解し、安定した供給体制を作る必要があります。そのため、長井市では双方の調整を行う仲介役として学校給食等地産地消推進員を配置しています。今回は平成27年から学校給食等地産地消推進員として勤務している鈴木さんにインタビューしました。
市内で採れた青果物が調理場に届くまで
給食に使用する青果物は、主に菜なポートに出荷している農家さんの青果物を使用しています。毎月調理場から次月分の給食に必要な青果物のリクエストが届くので、その中から菜なポートで納入できる青果物があるか菜なポート職員と相談して納入してもらえる農家さんがいるか聞き取りをして発注します。発注から納品までに1か月ほど時間があります。その間発注に影響が出ないように農家さんに生育状況の確認をこまめにしています。基本は当日納品なので朝に農家さんが菜なポートへ持ってきた青果物を検品して、それから調理場へ運びます。調理場でも納入時に計量と検品をするので立ち会って確認をしています。
農家さんが給食に提供するために規格などで分からないことがあったときは農家さんのところに伺って確認したりすることもあります。
提供していただける農家さんには、こどもたちに安全な給食を提供するために虫や傷み、腐れがないか事前にしっかり確認して持ってきていただくこと、調理場でも短時間で調理をしなければならないので、納品時間は守っていただくことをお願いしています。
おいしいものをこどもたちへ提供したい
給食を提供する調理場側と生産者側でやりとりをしていて共通して感じるのはどちらもおいしいものをこどもたちに食べさせたいということです。おいしく調理して食べてもらいたいという調理場さんと、おいしくて良いものを届けたいという農家さんの芯の部分は崩していけないと感じています。なのでお互いに妥協したくない良いところで調整できるように努力しています。
最近は猛暑や暖冬など異常気象による影響で大ベテランの農家さんでも例年通りに作れないので大変だという声が多く聞かれます。天候不良になった場合に突然納品できなくなることもあります。その時は代わりの方を探すのが大変です。そのためにも農家さんとの日頃の情報交換はとても重要です。農家さんには無理をさせずに気持ちよくこどもたちの給食に出していただけるように気を付けています。
バイキング給食でこどもたちと話す機会がありますが、野菜に興味がない子が多いと感じます。自分の家が農家だけど家ではあまり野菜を食べないという子もいました。そんな子たちに「今日の給食の○○は長井で作ったものだけどどうだった?」と聞くと、「普段家では食べられないけど今日はおいしかった」「給食では食べられた」「お母さんに買ってきてもらう」という会話が直接できるととても嬉しく、やりがいを感じる瞬間です。「提供していただいた農家さんにもお話しするね。」なんて会話をしています。
給食をいただくまでにいろんな人が関わっている
市内の農家さんが持ってきていただく野菜はとても瑞々しいです。鮮度が違います。これを見るとたくさんの人にもっと食べてほしいなと思います。野菜嫌いなこどもたちはいつの時代も多いですが、好き嫌いがあるのは人間だから仕方ないとして、完成品として給食に並ぶまでに食べ物を作る人・育てる人・食材を運ぶ人・料理をする人がいるんだということを一瞬でも思ってほしいです。それだけでも学びであるし、次は一口だけでも食べてほしいと思います。一口でも食べたら絶対好きになります。
大人になったときに頭の片隅にでもそのことを覚えていただければいいなと思っています。
私自身もいろんな農家さんと話しているうちに野菜に関しての意識はすごく変わりました。こうやって食べるとおいしいよと教えていただき、いろんな料理をしてみようと思うようになりました。今までスーパーで自分が使いやすい食材ばかり買っていましたが、気づけばレパートリーが増えて野菜中心の食生活になっていました。驚いたのは自分よりもこどもの舌が敏感になりました。新鮮なものでないとこどもから「これ菜なポートで買ったものじゃないよね」と言われてびっくりすることもありました。ぜひ地元の野菜を意識して手に取ってみてください。
長井市の食育推進計画
長井市では、令和6年3月に第3次長井市食育推進計画を策定しました。詳細につきましては下記のリンク先からご覧いただけます。
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更新日:2025年04月09日