ながい食育通信vol.7~あやめ郷西瓜部会へ食育インタビュー~
市民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むためには「食」はとても重要であり、あらゆる世代で大切なことです。市民一人ひとりが心身ともに健康で活き生きとした毎日を送るために、長井市では食育推進計画を策定し食育を推進しています。
ながい食育通信では、『食』に関するさまざまな活動に取り組まれている市民の方々や団体、企業など食育活動情報をご紹介します。
今回のテーマ「あやめ郷西瓜部会」の食育インタビュー
西瓜の産地としてブランド化
長井市伊佐沢の西瓜は東北でも有数の産地で、市場から「もっと欲しい」という声が多く、“幻のすいか” と呼ばれることもあるほど、ブランド価値の高いとても人気のある西瓜です。
あやめ郷西瓜部会はJA山形おきたまに属する部会のひとつで、伊佐沢地区を中心に点在する西瓜農家が集まって組織され、昭和63年に「あやめ郷西瓜」を商標登録。「あやめ郷西瓜部会」へと改名しました。令和7年で発足から約55年、長井地区の西瓜生産の礎となり活動しています。市内の学校給食及び幼児給食へ西瓜をご提供いただき、生徒や児童の食育や地産地消の推進につながっています。現在、高齢化に伴う生産者や生産量の減少など、様々な課題に直面していますが、ブランド西瓜を守っていくため、連携を図りながら新たな生産を担う人材の確保と育成に励んでいます。
あやめ郷西瓜部会部会長の志釜市雄さんにあやめ郷西瓜部会や生産農家としての現状をお伺いしました。
西瓜に適した土地と栽培技術の確立

伊佐沢は、澄んだ水ときれいな水、水はけのよい土壌で朝晩の寒暖差が大きく、西瓜栽培には非常に適した土地で50年以上も前から西瓜の生産が行われてきました。西瓜づくりをしている人は米生産のほかに果樹栽培とすいか栽培を合わせた “複合経営“を行っている農家が多いです。
ブランド化するにあたって、土づくりから苗植えの方法など、部会員で同じやり方を実践してきました。もう50年以上の経験の蓄積があり、伊佐沢で安定して栽培する方法はすでに確立されています。しっかり情報共有をしているので部会員の誰に聞いても教えられることが強みでもあります。
伊佐沢のすいかは鮮やかな赤色で甘くてみずみずしくシャリシャリとした食感が楽しめるのが特徴で非常に人気があります。宮城県を中心に関東、関西で販売しています。
幻になりつつある西瓜
以前は何十件も作っている農家がいましたが、ほとんどやめてしまい、今では作っている農家が十数件まで減ってしまいました。残っている農家も高齢になって、70~80代の方が現役で頑張っています。すいか栽培は体力勝負で力仕事も多く、高齢になってくると大変です。以前は手伝ってくれる人も高齢になって手伝えなくなった。だから最初から多く作らないように栽培規模を制限したり、大玉から小玉に切り替えてしまうので、人気があって毎年出荷数量増加の要望があるものの、求められる量が作れていないというもどかしい現状が続いています。このままでは、高齢化がどんどん進み、これまで培ってきた技術やノウハウが誰にも受け継がれず、産地自体がなくなってしまいます。この辺りの人は来るもの拒まずで、部会員同士も仲が良く情報交換も盛んに行われています。すいか作りに興味があれば気軽に相談してもらいたいと思います。
未経験でも西瓜栽培に興味がある方はぜひ長井市へ!
西瓜作りは大型の機械を使わないので稲作などと比べると始めやすいです。つるものは成長が早く、手間はかかりますが、手をかけた分だけいいものができるのでやりがいがあります。西瓜作りの魅力はなんといっても収穫の時です。
あやめ郷西瓜部会では、ベテラン農家さんから栽培に関する知識や技術を学べるほかにも、長井市農林課・JA山形おきたま・西置賜農業技術普及課で構成された「すいか応援隊」が栽培に興味がある方向けに実際に栽培するまでのステップを丁寧に支援してくれるので、初心者でも安心して西瓜作りができます。あとはやるのみ!体力勝負です!興味がある方は長井市農林課へご連絡お願いします。
長井市の食育推進計画
長井市では、令和6年3月に第3次長井市食育推進計画を策定しました。詳細につきましては下記のリンク先からご覧いただけます。
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更新日:2025年09月03日